第76回


(第76回)古代の怪異をのぞく ── 『日本霊異記』の世界へ

平成28年9月9日(金)18:00~20:45 よみうりホール(東京都千代田区有楽町1-11-1)
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僧・景戒が語り出す、奈良時代から平安初期にかけての日本社会。
彼が『日本霊異記』で伝えたかったのは、善と悪には必ず報いがある──いわゆる因果応報を説く仏教思想。
それなのに私たちが惹かれるのは、116の説話が伝える古代の人々の苦しみや喜び、
時には好奇心をくすぐる怪異譚、エロス、猟奇──1200年前の生々しい人間の姿。
それは文字を読めない当時の民衆たちの関心も引きつけ、
語りによって仏法を伝える「唱導」の役割も担っていた。
国家鎮護だけではない、弱き者たちのしるべともなった古代仏教に迫るとともに、
当時の人々の息づかいに接近する。

多田一臣先生には、『日本霊異記』を生み出した時代と豊かな説話世界についてお話しいただき、
吉田一彦先生には、古代の民衆の生業や信仰について『日本霊異記』から迫っていただきます。

講師

多田一臣(ただ・かずおみ 二松学舎大学特別招聘教授・東京大学名誉教授)
1949年北海道生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。同大学院人文科学研究科修士課程修了。博士(文学)(東京大学)。千葉大学助教授、東京大学教授を経て、現職。専門は日本古代文学。『万葉集』や記紀歌謡など上代の韻文を中心に、神話や伝説などの伝承性を視野に入れた古代の表現史論を展開する。主な著書に『日本霊異記』上中下(ちくま学芸文庫)、『古代文学表現史論』(東京大学出版会)、『万葉集ハンドブック』(三省堂)、『万葉集全解』Ⅰ〜Ⅶ(筑摩書房)、『古代文学の世界像』(岩波書店)、『万葉語誌』(編集・筑摩選書)などがある。

吉田一彦(よしだ・かずひこ 名古屋市立大学教授)
1955年東京都生まれ。上智大学文学部史学科卒業。同大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)(大阪大学)。名古屋市立大学助教授を経て、現職。専門は日本古代史、仏教史。東アジアと日本の古代仏教を中心に、仏教伝来や聖徳太子、また女性と仏教の関係などを研究する。主な著書に『民衆の古代史──『日本霊異記』に見るもう一つの古代』(風媒社)、『日本古代社会と仏教』『古代仏教をよみなおす』『仏教伝来の研究』(吉川弘文館)、『変貌する聖徳太子 日本人は聖徳太子をどのように信仰してきたか』(平凡社)、共著に『日本史の中の女性と仏教』(光華選書 法蔵館)などがある。

開催日時 平成28年9月9日(金)
開場17:00 開演18:00(20:45終了予定)
会場 よみうりホール(東京都千代田区有楽町1-11-1)
JR・地下鉄有楽町線有楽町駅より徒歩1分
定員 1,100人
参加費用 1,000円(税込)。当日お支払いいただきます。
申込締切日 平成28年7月27日(水)必着
お申込方法 通常はがきに、参加される方の 郵便番号・住所・氏名(フリガナ)・年齢・電話番号 を明記の上、下記にお申し込みください。 (1枚につき2人までご応募いただけます。 その際は必ず上記事項を2人分ご記入下さい)
〒108-0075 東京都港区港南2-1-95 JR東海品川ビルB棟7F
JR東海エージェンシー内 「講座 歴史の歩き方」事務局Z係
※定員を超えた場合は抽選。参加いただく方には入場整理券をお送りいたします。
主催 公益財団法人JR東海生涯学習財団
後援 京都市
協賛 東海旅客鉄道株式会社
企画・運営 株式会社ジェイアール東海エージェンシー
お問い合わせ 「講座 歴史の歩き方」事務局 Tel. 03-6688-7884
講座ホームページ https://www.jrtf.or.jp/history/